**「空を掴む曲線」**は、大阪の建築物を斜め下から見上げた視点で撮影された写真作品です。曲線的なデザインが特徴的な建物と、背景に広がる動きのある雲が、静と動の調和を描き出しています。

建物の金属的でモダンな質感は、人工物が持つ幾何学的な美しさを象徴しており、その手前に映る植物のシルエットが自然と人工の対比を強調しています。葉の柔らかさと建物の硬さ、そして雲の形の曖昧さが織り交ざることで、都市の中に潜む異なる要素の調和が際立ちます。

空に向かって伸びる建物の曲線は、視線を自然に引き上げ、都市空間のスケール感を観る者に体感させます。また、モノクロームの表現が建物の陰影や雲のテクスチャーを際立たせ、色彩に頼らない美しさを追求しています。

**「空を掴む曲線」**は、都市の中で見過ごされがちな建築と自然の関係を捉え、動的な空間と構造的な静寂を同時に感じさせる一枚です。