**「狭間の煙突」**は、大阪の狭い路地から見上げた煙突群をテーマにした写真作品です。この作品では、飲食店の外壁に設置された煙突が空へと伸びる様子が、無機質ながらも力強い存在感を放っています。

細い路地の中で空を切り取るように配置された煙突は、光を反射しながら、規則的なラインと曲線の調和を見せています。背景の建物の質感と煙突の金属的な光沢が対照的であり、それぞれの素材が持つ特性が際立っています。空の広がりを制限する構造物が、かえって空の広大さを強調するという、人工と自然の微妙な関係が描かれています。

モノクロームのトーンが煙突や建物のディテールを強調し、光と影が作り出すダイナミックな構図が観る者の視線を引きつけます。この作品は、都市の中に潜む美しい構造や、普段は見過ごされがちな視点からの発見を促します。

**「狭間の煙突」**は、都市の密集した空間に潜む幾何学的な美しさと、人工物が生み出す力強い造形を描き出した一枚です。