「氷の足跡」は、天王寺のてんしばで設営中のスケートリンクを撮影した作品です。この写真には、凍てつく冬の静けさと人間の営みが共存する光景が描かれています。風が吹きつける中、リンクの氷が波打ちながら凍結し、その上を作業員が歩いた足跡が幾何学的な模様を形成しています。これらの跡が生み出す形状は、偶然の美しさと人の活動の痕跡を象徴しています。

モノクロの表現は、氷の冷たさと足跡の質感を際立たせ、抽象的な美しさを引き立てます。この作品は、冬特有の一瞬を切り取ったもので、冷たい空気と静寂をそのまま感じさせるような迫力を持っています。都会の冬の風景が詩的に表現されたこの一枚は、観る者に深い感動を与えるでしょう。